クレジットカードの返済を滞納してしまうと「どうにかして踏み倒せないものか・・・?」と考える人も多いでしょう。
しかし、返済を踏み倒し続けると普通の生活ができなくなるほど痛い目に遭う可能性があります。
そこで、本記事ではクレジットカードの返済を踏み倒し続けると、どのような悪影響を受けるのか?また、債務整理での解決方法などを解説していきます。
目次
返済を踏み倒し続けるとどうなる?
クレジットカードの返済を踏み倒し続けると以下のような悪影響を及ぼします。
- 法的処置が取られる
- 精神的な負担がかかる
- ブラックリストに載る
- 遅延損害金がかかる
- 詐欺罪で逮捕される?
やはり踏み倒し続けるには、それなりのリスクは生じてしまいます。では、それぞれの悪影響を具体的に見ていきましょう。
法的処置が取られる
返済を踏み倒し続けると、カード会社(債権者)から督促があります。さらに踏み倒し続けるとカード会社は「法的処置」を取る場合があります。
大まかな流れがこちら
- 電話・書面での督促
- カード利用停止
- カード強制解約
- 督促状や催告状(※1)が送られてくる
- 支払督促や訴状(※2)が送られてくる
- 強制執行(差し押さえ)
※1、督促状に数回応じなかった場合送られてくる書類。
※2、訴訟(裁判所に訴えて、権利・義務の法的確定を求めること)を願いでる文書。
最後の強制執行までいくと、財産(銀行口座の残高・会社からの給与など)が借金の返済に充てられます。
解決方法は後ほど解説します。
精神的な負担がかかる
返済を踏み倒し続けると、カード会社から完済するまで督促を受け続けることになります。
中には、電話や自宅への訪問などの法的処置を匂わせる督促を受けることもあり、日常生活は借金のことで頭がいっぱいになってしまいます。
ドラマに出てくるような強引な取り立ては、貸金業法という法律によってルールが定められておるから心配ない。
初期の段階は「確認の電話」「郵送物が送られてくる」程度のものじゃ。
じゃが返済が確認できなければ自宅訪問といった法的処置に移るケースもあるぞ。
ブラックリストに載る
返済を踏み倒すことで、信用情報に傷がつき、さらに踏み倒し続けると「ブラックリスト」に載ることになります。
ブラックリストに載ってしまうと、新たにクレジットカードを作ることや、ローンの審査に通過することができなくなるので要注意です。
踏み倒した期間 | リスク |
---|---|
1~3日 | 信用情報に記録される可能性は低い |
1週間~10日 | ハガキ(電話)による督促がある |
2週間~2ヶ月 | 信用情報に傷がつきはじめる |
1~2ヶ月 | カードを強制解約される可能性が高い |
2~3ヶ月 | ブラックリスト入り(事故登録) |
3~6ヶ月 | 財産が強制的に差し押さえられる(給与、貯金、自宅など) |
さらに、返済を踏み倒すと「遅延損害金」が上乗せされて請求されます。
遅延損害金がかかる
返済を滞納した場合、完済されるまでの間「遅延損害金」が上乗せされて請求されます。
返済の優先順位は「遅延損害金>元本」となるため、元本を減らすのが難しくなります。
また、元本が残っていると、その元本から再び遅延損害金が発生するため、通常の返済よりも確実に厳しくなります。
例えば、50万円利用し、30万円滞納している場合、1ヶ月の遅延損害金は以下のようになります。
詐欺罪で逮捕される?
返済を踏み倒し続けた場合、警察に逮捕されるのか?というと逮捕されることはありません。
ただ、注意点としては「最初から返済を踏み倒すつもり」で返済能力があるように偽っていた場合は「詐欺罪」に当たります。
もし、そのような疑いがあれば警察への出頭を求められることもありますが「騙す意思がなかったこと」「返済する意思があること」を示せば逮捕される可能性は極めて低いでしょう。
返済を踏み倒しきることはできるのか?
一銭も払わず踏み倒しきると「消滅時効」が成立します。この消滅時効期間が満了すれば利用者(債務者)は、返済義務から解放され踏み倒しきることは可能です。
消滅時効の期間
消滅時効を成立させるには、以下2つの条件が必要になります。
- カード会社が、利用者に対して一定期間請求を行わなかった場合
- カード会社が、利用者にに対して一定期間返済を行わなかった場合
一定期間というのは基本的には「返済期日から5年」と考えてください。
いや、そのまま放置するだけでは消滅時効は成立せん。カード会社に対して「時効援用通知書」を送付し、手続きを行う必要があるぞ。
この援用手続きで「支払義務が消滅しているから返済はしない」と主張して初めて成立するんじゃ。
消滅時効は現実的ではない理由
カード会社(債権者)は、時効を成立させないように「時効の中断」という手を打ってきます。
事由が発生すると、時効期間がリセットされ、新たに5年間待たなければなりません。
例えば、カード会社から督促を受け「〇日までに払います」と約束すると、時効が中断され、約束から新たに5年経たなければ時効が成立しなくなります。
他にも、カード利用者(債務者)に「自分には返済義務がある」と認めさせ、以下のような内容を行うと時効の中断となります。
- 1円でも返済を行う
- 「今なら減額もできますよ」といった減額の交渉
- 「〇日までは待ちます」といった返済期間の交渉
というようにカード会社側は時効制度のルールを熟知しており、あらゆる対策を立てて時効成立を阻止するため、簡単には時効は成立しません。
踏み倒すより「債務整理」で解決した方がいい理由
返済を踏み倒すことは理論上可能ですが、時効が成立する前に中断になる可能性が非常に高いため踏み倒すことは難しいでしょう。
それでも尚、放置していると勝てない裁判に発展し、自分のお金なのにおろせない・・・といった深刻な事態になるかもしれません。
どうしても返済が難しい状態で、一人ではどうしようもできないという場合は「債務整理」を検討しましょう。
弁護士に債務整理を依頼することで、返済額の減額や、返済計画を変えることで無理なく返済できるようにしてくれます。
債務整理の種類
債務整理と聞くと「自己破産?」と考える人も多いのですが、債務整理には4種類あります。
任意整理 | 裁判所が関わらない私的な交渉 |
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特定調停 | 裁判所で行うが、当事者の話し合いが主体 |
個人再生 自己破産 |
裁判所が主導して厳格な手続きが行われる |
では、どの手続きがどんな人に当てはまるのか?を簡単にまとめると
任意整理 or 特定調停 |
分割払いを認められたら支払える人 |
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個人再生 | 返済額をカットしてもらえたら支払える人 |
自己破産 | 分割払いも返済額をカットしてもらっても支払えない人 |
ただ、どれに当てはまるかはケースバイケースですから弁護士と相談して決めることになるでしょう。
債務整理をすればクレジットカードは作れるようになる?
踏み倒しをしても、債務整理をしても、どちらにしてもクレジットカードは作れなくなります。
ただ、債務整理は、踏み倒しと違い、合法的解決になるので、信用情報機関の定めた期間(5~10年)を経過すれば新たに作れるようになります。
信用情報機関について
日本の信用情報機関は以下の3つ。
株式会社シー・アイ・シー(CIC) | 全国の主要クレジット会社など39社の共同出資による信用情報機関 |
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株式会社日本信用情報機構(JICC) | 消費者金融系の信用情報機関が母体となって設立された信用情報機関 |
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 銀行の信用情報機関・銀行系のクレジットカードが利用 |
これらの機関には、借入額や、借入日、返済日、滞納情報など、あらゆる個人情報が掲載されており、各信用情報機関は共有されています。
クレジットカードの審査では、必ず信用情報機関に照会をかけ申込者の信用情報をチェックするわけですが、ここで債務整理を行った過去や、債務整理を行っていなくても長期間滞納した過去があると「この顧客は信用できない」と判断され審査落ちしてしまいます。
まとめ
クレジットカードの返済を踏み倒し続けると、社会的な信用を大いに失墜させてしまうので、滞納が長引く前に債務整理することをおすすめします。
踏み倒し、債務整理、いずれの場合でもクレジットカードは作れなくなりますが、債務整理の場合は、信用情報機関からブラック情報が消えれば、新たに作れるようになるので債務整理するメリットは十分にあるかと思います。